ゲイが市井で暮らすのに、嘘はいくつ必要ですか？ もうすぐ。

こぶ平が退職するそうだ。
なんだか最近こちらも忙しく疎遠になっていた。
別の人からその話を聞いた。

そうなんだ。忙しくてかまってなかったな。
でも、それだけじゃないな。
前にもチラッと書いたけど、彼に何だか腹を立てていたのだ。

歳も違うし、立場も違うし、セクシャリティも若干違う。
でもそれなりに親しみの情を持っていたのだ。
有体に言えば、弟のような感覚を持っていた。
不器用な性格も可愛く思っていた。
俺以上に不器用な人間なんてそうそういない。

でも、仕事は雑になり、休みがちになり、ギャンブルに手を出し、
家賃も滞納し、バイトの仲間から金を借りているという話を聞き、
なんだか悲しくて仕方がなっかたのだ。

どうしちゃったんだろう？
聞く所によると、もう少し別の場所で自分探しをしたいそうだ。

又、自分探しなんだ。

そんなに、自分探さないといけないものなのかなぁ。

古い考えなのかもしれないし、頭固いかもしれないけど、
別の場所で探す自分って自分じゃないんじゃないのか？
見知らぬ場所で見知らぬ他人に会って初めてわかる自分って何？
自分が知りたければ、周りの人にアンケートでもとって分析するほうが
よっぽど有意義なんじゃ

本当のところは現実逃避なんじゃないのかなと思える。
今一度、自分の過去をリセットしてみたいんじゃないのかな。
こんなはずじゃなかった自分に出会いたいんじゃないのかな。

情報の操作が上手い人たちが、フリーターを作り上げ、自分探しを推奨
してきたけど、その後の話までフォローして欲しかった。
その神話に呑まれてしまう子たちがいるってことに気づいて欲しい。
おとぎ話のその後を語るべきな気がする。

ごめん、あまりうまく自説がまとまりきっていない。
自分探しを推奨してきた最近の風潮を敵視することで、こぶ平への
罪悪感を拭い去りたい卑怯さがそう云わせるのかもしれない。