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昔の男と会う(後編)

「結局某君はなんだかんだ言って、欲しいものをちゃんと手に入れるんだよ」
「?」
「ゲイで同棲することなんて並大抵のことじゃない。君は平凡な生活を
 望んでるとかよく言ってたけど、どう考えても非凡だ。」
「自分でそう努力した」
「努力をしてもどうにもならないこともある。お前は運がいいんだきっと」
「大輔とは努力しても一緒に暮らすのは無理だったしね」
「お前は俺にそういうこと言わなかったじゃないか」
「?だって会社もあるし、家庭もある人にそういうことは言えないでしょ」
「お前は一緒に暮らしてほしいなんて一言も俺に言わなかった」
「そんな、今頃怒らなくても」
「怒ってない。事実を言ってる。お前は俺に何も願わなかった」

本当は願ったんだよ。言葉に出さなかったんだけどね。
大輔はそういうことを口に出して言って欲しかったのだろうか?
そんなこと、言える訳がない。彼は破滅する。

ただ、今はなんとなく大輔の気持ちがわかる。
大輔が最大限の愛情を俺に向けてくれたってことも今なら良くわかる。

そして、やっと、気づく。
大輔はやるために電話してきたんじゃないんだ。
大輔は俺のことを心配してるんだ。いまだに。
顔を見たいってのはそのままの意味なんだ。

きっと、SEXしたがってるのは俺のほうだ。
大輔に誘わせようとしてるのは俺のほうだ。
大輔のせいにしてズルをしようとしている。醜い。
そういうよこしまな心が読まれてる?
なんか急に恥ずかしくなり突然支離滅裂なことを言ってしまった。

「爪が伸びてる!」
「へ?」
「俺、爪切ってくるの忘れたから今日はHできねぇ」
「爪?」
「そう、ごめんね」
「爪・・・」
少し考え込む大輔さん。
誘ってもいないのになんか意味不明に防御する自分が無性に恥ずかしい。

「そうか。残念だ」と大輔さんはニコニコしながら応えてくれた。

「まだ時間はある。カラオケにでも行こう」
「カラオケなんてここ何年も行ってないなぁ」
「俺の歌を聴け。そして惚れ直せ」
「俺の歌も聴け!そして俺にも惚れなおすのだ」
「お前の歌には惚れないだろうw」

それから二人でカラオケを3時間(!)ほど楽しんだ。
けど、途中で大輔が寝てしまった。
彼の要望で膝枕をしてあげた。
半分狸寝入りだとは思ったけど、そのままにしておいた。
懐かしい重さだった。
しばらくして寝息を確かめてから膝から頭をずらした。
ソファで寝ている彼を覗き込んで、そっとキスをした。
やっぱり寝たフリの大輔も唇を返してきた。
彼はソファに寝転がったまま、俺は床にしゃがんだままの
不安定な状態でのキス。
大切な何かをこぼさないようにお互いの手を握り合う。
痛いぐらいだけれど、握り返さずにはいられなかった。

そんな夏の夜のできごと。

少し、風がざわめいた気がする。




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プロフィール

(yore)2BOW

Author:(yore)2BOW
桜田淳子「20歳になれば」の替え歌で

まってください 44歳になるまで
まだ言わないで さよならだけは
まってください 読者の興味
はなれたことは わかってるけど

更新するわ なるべくするわ
43歳のうちに 43歳のうちに

44歳になれば 体重減らす
ユニクロで服が買えるぐらいに
44歳になれば 彼氏をつくる
無理じゃないよね?多分多分w

ラララララララ・・・

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